ブツブツブツブツ…… ※独り言

シッシッシッ！やっぱいいもんだよねぇ。
魔法の力はさぁ。

強い力を持つだけで
こんなに世界が変わるとは愉快愉快。
もうアタシは、貧弱な存在じゃない。

刃向かう者は容赦なくひねり潰すまで。
力ってものは自分のために使わないと。

悪役も板に付いてきた事だし、
ここらで外見もチェンジしてみるのも 面白いかもね。

そう……例えば、
褐色にしちゃうとか？

ネトゲでも大体、褐色キャラは強キャラオーラが
バンバンだし、アタシも仲間入りしても
いいんじゃない？

ええ。
褐色肌、よろしいのではなくて？

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ！？

うふふ、ごめんあそばせ。
驚かせてしまいましたわね。

お嬢様が失礼をしました。

（おいおい、
いつの間にアタシの背後にいたんだよ！？
全く気付かなかったし！）

（てか、今の独り言聞かれてたとか、
完全にアタシ、イタい女だし！）

（それに気に食わないなぁ！
何だよ、あのオッパイは！
二人とも眩し過ぎて直視できないッ！）

（これが持つ者の力なのか！？）

ブツブツ言ってどうしましたの？

ひょっとして、どこかお体が悪いのですか？

べ、別に、な、な、何でもないですよ。
そ、それよりも、今の話、
ど、どどどど、どこから聞いていましたか？

最後の所だけですわ。
褐色肌、良いですわよねぇ。
きっと似合うと思いましてよ？

そ、そそそんな、お、お世辞でしょう？

いいえ、お世辞ではありませんよ。
お嬢様は貴方様の褐色姿を想像されて、
心の底から似合うと仰っているのです。

可愛さもあって、それでいて強さを感じられる。
褐色の肌、いいですわよねぇ。

（強さを感じられるねぇ……）

もしかして踏ん切りがつかずに
悩んでおられましたの？

でしたら、
わたくしたちがお手伝いいたしましょうか？

えっ、えぇと……。

（バカかアタシは、
そんなもんさっさと断ればいいんだよ！
そんでさっさとバイバイすればいいし！）

（ああ、今すぐにでも魔法で消してやりたい！
でも、この二人、タダ者じゃない）

（気配で分かる……ヤバイ奴らだ！
このアタシが……強キャラのアタシが
押されているなんて……ッ！）

どう致しますか？

あ、あぅ、あぅ、わ、分かりました。

（こ、ここは、逆らわない方が無難だし！
別にこれはアタシが屈したとかじゃないし！）

では黒ギャルになって、わたくしと一緒に、
世の殿方のために尽くしましょう。

え？