……見知らぬ墓地に迷い込んでしまいましたね、
お嬢様。

外は晴れていますのに、何だか肌寒いですわ。

うらめしや〜

…………。

…………。

う、うらめしや〜

まぁ、可愛い幽霊さんです事。

本当ですねぇ。気のせいかお声が幼少時の
お嬢様に似ている気が致します。

ええっ！？お姉ちゃんたち、
真幻ちゃんが見えるの？
って言うか、ビックリしないの？

こんなに愛らしいのに驚く方が失礼ですわよ。

驚いてくれた方が良かったのに……しゅん。

お嬢様。幽霊としての存在意義を否定されて
肩を落とされてしまいましたよ。

あらあら、それは悪い事をしてしまいましたわね。
ならば、何かお詫びを……貴方の力になろうでは
ありませんか。

え、お姉ちゃんたち、
真幻ちゃんの力になってくれるの？

はい。要は化けて出た際に、相手が驚いて
くれれば良いと言うわけですよね。

うん。

でしたら答えは簡単。
黒ギャルになればいいのですわ。

そうですね、お嬢様。

黒ギャルになればいいのかぁ……。
って、どういう事？？

考えてもみなさいな。
わたくしたちがイメージする幽霊といったら
大抵は色白でしょう。

う、うん（汗）

そんな中で、褐色の幽霊が現れたら
どうですの？
皆さん、きっと驚いて腰を抜かしますわよ。

そ、そうなのかなぁ？？？

そう殿方が腰を抜かした所で、わたくしたちが
ご奉仕をすれば、きっとすぐタチ上がる
でしょうから恨まれる事もなし。

さすがお嬢様、聡明なお考えでございます。

でも、真幻ちゃんは幽霊だよ？
日に焼けないよ。

フフフ、そこは天下の姫条院に
お任せあれですわ。世のため人のためであれば、
不可能な事などありません。

では泉美、準備を。

かしこまりました。

えっ、ちょ、ちょっと待って！？
そんな、そんなぁ！？
一体何をするのおおおぉ！？

きゃああああああああああああぁっ！！